企業によるサイバーセキュリティ対策の具体例は?被害の影響も解説
2023年12月6日中小企業のサイバーセキュリティ対策は?ガイドラインや助成金の活用について解説
2023年12月6日不正アクセスやデータ改ざんなどのサイバー攻撃も日々進化して、ますます巧妙になってきています。その攻撃を防ぐためにも、企業はAI(人工知能)を用いたサイバーセキュリティ対策など最新テクノロジーを導入する必要があります。とは言え、AIを活用したサイバーセキュリティ対策にも限界があり、サイバー攻撃の被害のリスクはゼロにはならないのが現実です。この記事では、AIを活用したサイバーセキュリティの例やメリット・デメリットなどを解説し、そうした備えにもかかわらずサイバー攻撃の被害を受けてしまった場合の対応についても紹介します。
AIを活用したサイバーセキュリティ対策とは
AIを活用したサイバーセキュリティ対策とはどのようなものか、サイバー攻撃の現状と従来のセキュリティの課題も併せて解説します。
サイバー攻撃の現状
近年、リモートワークの普及に伴って標的となるデバイスが増えたことなどもあり、サイバー攻撃による被害も増加しています。また、標的のサーバーに大きな負荷をかけてダウンさせるDDoS攻撃において大量のbotを統括するAIを使って一斉攻撃するなど、AI技術を悪用することで巧妙化したサイバー攻撃も増えています。
従来のサイバーセキュリティの課題
サイバー攻撃の中でも代表的なのが、セキュリティの欠陥である脆弱性を突いた攻撃です。専門のソフトウェアやサービスの活用である程度対抗できますが、バージョンを更新しても新たな脆弱なポイントを攻撃されるといういたちごっこが続いたり、脆弱性への対策実行前に攻撃されるゼロデイ攻撃が行われたりと、脆弱性への対策は重要な課題の一つといえます。また日本のセキュリティ人材不足は深刻で、多くの企業が適切なセキュリティ対策を構築できていないことも課題です。
AIの活用によるサイバーセキュリティ対策の具体例
- マルウェアの検出
AIにプログラムや通信などの正常な挙動と正常ではない挙動を機械学習させることで、マルウェアを検出します。マルウェアの種類ごとの特徴や攻撃の手口を解析させることで、より検出率を向上させられます。
- 不正アクセス・利用の検知
ログやトラフィックなどの蓄積されたデータから、AIに「正常時の特徴」と「攻撃時の特徴」を把握させて、攻撃やその予兆を検知することが可能です。また、AIにユーザーの通常の行動パターンを学習させておき、IDやパスワードなどログイン情報を不正に入手してECサイトや社内システムに侵入・利用する不正アクセスを、異常な行動として自動的に検知することができます。
- ユーザー認証
AIにIPアドレスやアクセス元の地点などをリアルタイムで確認させて、通常とは異なる端末や場所からのアクセスであればユーザーに通知したり、ワンタイムパスワードを発行したりする認証方法も活用されています。
- セキュリティ診断
組織内のセキュリティ状況の把握と適切な対策のため、AIによって社内システムの脆弱性を自動的に検出してセキュリティリスクを評価するツール・サービスも活用されています。例えば、サイバー攻撃に近い方法でシステムやWebサイトに擬似的に侵入し、内在するセキュリティリスクを可視化するなどのサービスがあります。
AIの活用によるサイバーセキュリティ対策のメリット・デメリット
AIを活用したサイバーセキュリティ対策のメリット・デメリットについて解説します。
AIを活用したサイバーセキュリティ対策のメリット
- サイバー攻撃の検出率を高められる
AIは大量のデータを解析する能力に優れているため、過去のサイバー攻撃のログなどを解析し、特徴や傾向を学習させることで検出率を向上させることができます。大量のログやトラフィックのデータを分析することで、複雑化したサイバー攻撃に対しても対応範囲が広がります。
- 新種のマルウェアへの耐性が向上する
従来のセキュリティ対策ツールなどでは、新種のマルウェアを検出できないため都度アップデートが必要になりますが、反映されるまでの時間を狙った攻撃(ゼロデイ攻撃)の被害に遭うリスクもあります。AIはプログラムやスクリプトを解析し、それが悪意を持っているかを機械学習によって判断するので、新種のサイバー攻撃への耐性向上が見込まれます。
AIを活用したサイバーセキュリティ対策のデメリット
- これまで以上にセキュリティ対策へのコストが膨らむ
企業経営においてセキュリティへの投資は欠かせないとはいえ、AIを活用したセキュリティ対策には一定のコストを要します。自社に合った、自社に必要なセキュリティ対策とその手段を見極める必要があります。
- AI活用とセキュリティ対策に通じた人材の確保が難しい
従来のセキュリティだけでなくAIに関する専門的な知識とスキルも持った人材が必要ですが、AIを扱える人材の需要が高まっているため確保は困難です。人材の採用・教育コストがかかってしまうことも企業側の負担が大きくなる点といえるでしょう。
AIを活用してもサイバー攻撃を完全に防ぐのは困難
AIはマルウェアの検出や不正アクセスの検知に活躍する一方で、その判断が必ずしも正確であるとは限りません。またAI自体がサイバー攻撃の対象になる場合もあり、AIを活用してもサイバー攻撃を完全に防ぐのは困難です。AIを用いたセキュリティ対策の性能や対応範囲を正しく把握・管理しながら運用すると同時に、発生してしまった場合に被害を最小限に抑えられるよう準備しておくことが重要です。
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