米国最高裁判所は最近、特許有効化の問題に関してほぼ 100 年ぶりの新しい判決を下したことが話題となっています。問題となっている訴訟、Amgen vs Sanofi(2023年5月18日判決)には、「LDL」として知られる悪玉コレステロールを減らすためにそれぞれ使用できる数百万の抗体をカバーするとされるAmgen社の一連の特許が関係しています。最高裁判所は、この特許は米国特許法に基づく実施可能要件を満たしていないため無効であるとの判決を下しました。具体的には、Amgen社の特許は、十分に経験と知識のある技術者のみが特許出願に記載されている26種類ほどの抗体を作製および使用できるようにするための説明しか提供していない、という判断でした。Amgen社の特許が無効であることが判明したため、Sanofi社は現在、競合する抗体製品を自由に製造・販売できるようになっています。