【Webinar資料ダウンロード可】コンプライアンスと調査 ~米国機関の調査に万全の備えをするために日本企業が”平時”に出来ること~
2024年10月23日フォレンジック調査の費用相場 – 料金・期間の目安、注意点と調査会社の選び方
2024年10月29日会社にとって従業員による横領は、金銭的な損失だけでなく、社会的信用の失墜にもつながる深刻な問題です。しかし、多くの会社では横領が発覚した際の具体的な対応手順や調査方法が十分に準備できていないかもしれません。横領の調査・証拠収集には「フォレンジック調査」が必要となります。本記事では、横領発覚時の適切な対応から調査プロセス、再発防止策まで、実務的な観点から解説していきます。
横領が発覚した場合の社内での初動対応や手順
横領事件への対応は、発覚後の初動対応から再発防止策の実施まで多岐にわたる取り組みが必要となりますが、まず発覚後の初動では迅速な対応が求められます。
横領とは
横領(業務上横領)とは、会社など組織において、従業員が職務上預かっているお金や物品を、不正に私的に利用したり、持ち逃げしたりする行為を指します。
横領が発覚した際の初動対応
横領の疑いが生じた場合、最も重要なのは冷静かつ迅速な初動対応です。まず、事実関係の把握と記録を徹底的に行う必要があります。具体的には、いつ、誰が、どのように不正を発見したのか、その経緯を時系列で整理し、被害の概算額や、関係者の範囲なども可能な限り特定します。
とくに重要なのは、この段階での情報管理です。関係者以外の人物が知るとその後の調査に支障をきたす可能性があるため、対応に関わる人員を必要最小限に限定することが賢明です。
横領の証拠収集の手順・手法と必要性
証拠収集は、その後の対応の成否を左右する重要なステップです。会計帳簿や領収書といった紙媒体の証拠に加え、近年では電子メール・アクセス履歴などデジタルデータの重要性が増しています。
とくに注意すべきは、証拠の散逸や改ざんを防ぐことです。経理関連の書類は、誰が・いつ・どの書類を回収したのか記録できるようにする、電子データでは上書きや削除を防ぐために可能な限り早期にバックアップを取得する、などが重要です。
横領の社内調査の進め方とやってはいけないこと、注意点
繰り返しになりますが、横領の調査に取り掛かる際は、事実確認と証拠の保全を調査の初期段階から徹底することが重要です。関係者の証言や、会計記録、メール、監視カメラ映像など、あらゆる証拠を収集・保全し、データの改ざん・修正などの証拠隠滅を防ぎましょう。とくに、デジタルデータは、専門的な知識やツールが必要となるため、調査会社に協力を仰ぐことが有効です。
その他の注意点として、本人の自白は重要な要素になりますが、会社から本人に問いただす前の事前調査で証拠を確保しておくことが必要です。また、行き過ぎた聞き取りは法的責任を問われる可能性もあり、無理強いは禁物です。
横領に対して民事上の損害賠償請求や刑事上の責任も問うことになる可能性もあります。調査結果に基づいて懲戒処分や刑事告訴を行う際には、法的な手続きを厳密に行う必要があることに留意しましょう。
横領をはじめ、内部不正を防止するために会社がとるべき体制、対策
横領発覚後の事後対応は必須ですが、重要なのは予防的な取り組みの充実です。横領を引き起こさないためには、定期的な内部監査の実施や複数人による相互チェック体制、従業員教育の徹底など、具体的な不正防止策を講じる必要があります。こうした平時からの備えが最も効果的な対策となります。
権限の分散や記録の確認体制など、内部統制の整備と実施
自社の業務プロセスにおけるリスクを洗い出し、金銭の取り扱いが発生する業務であれば「誰が・どの段階で・どのような承認を行うか」などの権限の管理やルール設定が必要です。定期的に操作ログ・履歴などの記録の確認を行うことも、早期の発覚はもちろん抑止力にもつながります。さらに、内部監査を実施し、ルールが形骸化することなく適切に運用されているかを確認することも重要です。
従業員への教育と意識向上
不正防止において従業員教育は重要な取り組みです。ルールが必要な理由、不正が発生した場合の影響などを、具体的な事例を交えて周知しましょう。早期発見・早期対応につなげるために通報窓口を整備するとともに、不正の発見・通報者が保護される、安心して利用できる制度であることを従業員に周知することも重要です。
横領の証拠調査には「フォレンジック調査」が有効
万が一横領が発覚した後は、類似事案がないかを調査しつつ、原因究明と再発防止に向けた体制強化を行うことが求められます。横領の詳細な調査には、専門の調査会社による「フォレンジック調査」が有効です。フォレンジック調査の詳細を解説します。
フォレンジック調査とは何か?
フォレンジック調査、とくにデジタルフォレンジックは、デジタル機器に残された電子データを収集・分析し、不正の証拠を特定する調査手法です。近年のビジネスではデジタルデータが増加しており、その重要性も増す一方です。
例えば、経理システムの操作ログを分析することで、不自然な取引や改ざんの痕跡を発見できます。また、削除されたメールや文書を復元することで、横領の証拠となるやり取りなどが見つかります。
フォレンジック調査は専門のフォレンジックベンダーへ相談を
フォレンジック調査は、高度な専門知識と特殊な機材が必要となるため、専門業者への依頼をおすすめします。とくに、証拠として法的な有効性を確保するためには、専門家による適切な手続きが不可欠です。
専門業者を選定する際は、過去の調査実績や、調査担当者の経験・資格などを十分に確認することが重要です。また、機密情報を扱うことになるため、信頼性の高い業者を選ぶことが必須です。
なお、調査費用は案件の規模や複雑さによって大きく変わってきますが、横領による損失額や全容を解明する必要性、その後の訴訟対応なども考慮すると、必要な投資として捉えるべきでしょう。
横領案件のデジタルデータの証拠収集に欠かせないフォレンジック調査
横領では、クラウドストレージやメールなどのデジタルデータ、サーバーのログファイルなどから証拠を得られるケースも多く、事実関係の把握や被害額などを明らかにするにはフォレンジック調査が欠かせません。関係する可能性のあるデータを漏れなく保全すること、そして削除データの復元やログの解析・分析を確実に進めることで、証拠として法的にも有効な資料を揃えられるでしょう。
会社での横領の証拠を押さえるためのフォレンジック調査会社の選び方
フォレンジック調査を依頼する調査会社を選ぶ際に見るべきポイントについて解説します。
高度な専門知識と豊富な実績があるか
多数の調査実績を持つ会社ほど、高い技術力やデータ復旧に関するノウハウが蓄積しているので、ケースごとに適切な方法を選択して適正なコストで対応できるでしょう。とくに上場企業や警察、官公庁などの依頼実績があるかどうかが、信頼性を判断する上で重要なポイントになります。
AI活用など高い技術力があるか
とくにデータの復元・解析では、専門のツールや高度な技術力が必要で、会社の持っている設備やエンジニアの熟練度などが調査の成果に直結します。AI(人工知能)の活用も重要なポイントです。大量のデータ分析を得意とするAIを活用することで、調査の効率化だけでなく、調査者のリソースをより集中させられることで精度も高められます。
適正な価格で提供されているか
フォレンジック調査は、データ処理や検索の費用、そして証拠となり得るかの分析・解析(レビュー)やデータホスティングなどが費用の内訳となりますが、通常はレビューの工程が費用の大半を占めます。最終的な金額は調査範囲、調査内容によって大きく変わり、数万円~数百万円とかなり幅があります。追加料金を含めた費用形態が明確なベンダーを選ぶことをおすすめします。
なお、調査にAIを用いることの認知も最近では広がってきており、AIを活用して調査を飛躍的に効率化することで大幅なコストメリットが得られます。見積を集める際には必ずAIやレビューも含めたトータルの費用も求め、単価だけでなく全体の費用もしっかり比較しましょう。
会社での横領の証拠調査は、フォレンジック調査の実績と技術に定評のある「FRONTEO」へ
FRONTEOは、2003年の創業当時から日本におけるフォレンジック調査のパイオニアとして、多くの企業の調査に対応してきました。また、自社開発AIエンジン「KIBIT」を活用して、ドキュメントレビューを大幅に省力化してコスト圧縮を実現し、高い精度の調査を実現しています。
会社での横領の調査は、ケースによっては当事者に気づかれないように調査や証拠保全を進めるなど、迅速で確実な対応がカギとなります。FRONTEOは案件対応の豊富な知見と自社AIエンジンによる高い技術力を掛け合わせることで、他社にはできない高精度と効率化を実現し、横領の調査に取り組みます。