第三者委員会とは?内部調査委員会との違いや調査方法について解説
2023年8月16日【Webinar】「コンプライアンス・リスク管理」の視点から考える不祥事予防 Part 1
2023年8月17日企業間や企業と個人間、個人同士の紛争などの際に裁判所の手続きによって解決を図る民事訴訟。自社が、従業員や取引先、競合企業などから訴訟を起こされた場合(あるいは訴訟を起こす必要がある場合)の対処法についてどこまで認識していますか。自社がどのような訴訟リスクを抱えているかを想定し、民事訴訟の基本的知識を把握して、有事に備えておくことが重要です。
企業における民事訴訟(民事裁判)とは
企業活動における民事訴訟(民事裁判)について解説する前に、まずは民事訴訟に関する基本的な知識について解説します。
民事訴訟(民事裁判)とは
個人同士、企業同士、企業と個人との間に何らかの紛争が起きたとき、当事者が損害賠償などを裁判所に提起すると民事事件となります。この民事事件を解決するため、双方の主張を明確化して証拠を提出し、裁判官が判決を言い渡したり和解を成立させたりするのが民事訴訟です。
刑事訴訟(刑事裁判)との違い
民事裁判と刑事裁判の違いは大きく分けて3つあります。1つ目は、裁判の当事者。民事裁判は誰でも原告として訴訟を提起でき、当事者は対等な立場で裁判に臨み双方が主張します。一方、刑事裁判は犯罪を起こした疑いのある被疑者に対し警察官と検察官が捜査を行い、検察官が被疑者を起訴する形式です。
2つ目は紛争の解決方法について。民事訴訟では原告・被告の双方が納得できれば和解で終わることもありますが、刑事裁判では和解の選択肢はなく、被告人の有罪か無罪かの手続きをもって判決が終了します。
3つ目は判決内容について。民事訴訟では原告の要求がとおり、賠償金などが発生しても罪に問われることはありませんが、刑事訴訟で有罪に決まると必ず何らかの刑罰が科せられます。
会社が民事訴訟(民事裁判)を起こされるケース
企業が、従業員や個人の業務委託、取引先や競合などの会社から起こされる民事訴訟のケースについて主な例を解説します。
従業員から起こされる民事訴訟のケース
従業員から民事訴訟を起こされるケースとして多いトラブルは下記の4つです。
・不当解雇
問題のある従業員でも、解雇するためには「正当な理由」と法律上の手続きが必要です。従業員に非がある場合でも、企業側の手続きに不備があると不当解雇扱いになるので要注意です。
・労災
勤務中の事故は、従業員の過失が原因でも労災トラブルとなる可能性があります。企業には従業員の健康と安全に配慮する「安全配慮義務」があり、違反すると損害賠償責任を負う恐れがあります。
・未払い賃金や残業代、退職金
賃金や残業代の未払いがあると、遅延損害金や賦課金の支払いを求めた訴訟を起こされる場合があります。従業員の認識違いであるケースも多いので、定期的な就業規則の確認も重要です。
・パワハラやセクハラ
会社には従業員の職場環境に配慮する「就業環境配慮義務」があります。ハラスメントのトラブルが従業員同士の問題であっても、会社に責任が生じる可能性があります。
業務委託(個人)から起こされる民事訴訟のケース
企業が業務委託の形式で契約している個人から民事訴訟を起こされるのは次のようなケースがあります。
・業務委託報酬の未払い
業務委託契約に基づいて委託業者が業務を完了したにも関わらず、支払われるべき報酬が期日を過ぎても未払いの状況だったり、不正確な請求処理が行われたりした場合。支払い請求の訴訟に発展する可能性があります。
・知的財産権の侵害
無断で著作物を利用する著作権侵害、類似の商標を使用する商標権侵害、製品のデザインなどに対し類似のデザインを使用する意匠権侵害など、知的財産権を侵害したとされる場合。損害賠償請求や差し止め請求の対象となります。
・偽装請負
偽装請負とは、実質的に労働者であるにも関わらず業務委託契約の形で偽装する行為。労働者の権利や福利厚生を侵害する行為として労働者派遣法などで禁止されています。
・下請法の違反
成果物の受領拒否や返品、正当な理由のないやり直し、不当な経済上の利益を提供するよう要請するなどの行為は下請法違反となり、損害賠償責任を問われる可能性があります。
取引先や競合企業から起こされる民事訴訟のケース
企業が取引先や競合企業から民事訴訟を起こされるのは次のようなケースがあります。
・債権の回収
業績が悪化するなどして取引先に対して期限内に支払いができなかった場合には、債権者側から回収を求められます。電話や面会による交渉で解決しない場合は訴訟となります。
・個人情報の漏洩
顧客の個人情報漏洩が発覚すると、該当顧客だけでなく取引先にも影響が及びます。社会的信用の失墜により利益や売り上げ減少につながると、取引先から責任を問われる可能性があります。
・特許侵害の疑い
特許権の登録がされて保護されている発明を、無断で使用するのが特許侵害行為。技術の使用や製造方法の模倣などが疑われる際は特許権者により訴訟を起こされる場合があります。
・契約の不履行
双方合意のもとで締結した契約を実行しない、約束した義務を果たさないなどの契約不履行。相手方が経済的損失を被る場合もあり、訴訟に発展する可能性があります。
民事訴訟(民事裁判)に必要な証拠について
前述のようなケースで実際に会社が民事訴訟(民事裁判)を起こされた場合、どのような証拠が必要になるのでしょうか。証拠集めに有効な手段であるフォレンジック調査についてもご紹介します。
民事訴訟に必要な証拠
民事訴訟で双方が言い分を主張するためには、然るべき証拠の提出が必須です。必要な証拠として以下のようなものが挙げられます。
契約書・請求書などの公的文書やメール・報告書などのやりとり、日記に至るまで、あらゆる文書形式の書証が対象となります。電話での通話記録やビデオの録画、写真など文書以外のものも準文書として取り扱います。
訴訟に関するあらゆる調査や検証の結果、高度な知識が求められる案件に対して専門家から提供したもらった鑑定結果も重要な証拠。紛争に関わる当事者である原告・被告は裁判で当事者尋問を受け、証言を求められた第三者も証人尋問を受けることで、それぞれの回答が裁判を左右する重要な証拠・材料となります。
フォレンジック調査を依頼して証拠を集める
前述のように民事訴訟に必要な証拠は膨大な量に及びます。必要な証拠を調査・収集し、適切な形で裁判に活用する専門的な方法がフォレンジック調査。フォレンジック調査専門の業者に依頼して証拠を揃えるのが民事訴訟をスムーズに解決に導く重要な鍵となります。
民事訴訟(民事裁判)の証拠集めはフォレンジック調査が有効
民事訴訟における証拠は、複雑な案件になればなるほど膨大な量になり、社内だけで集めるのは非常に困難。もし証拠が不十分だった場合、裁判で不利な判決にもなりかねません。民事訴訟に必要な証拠の収集のためには、専門の調査会社によるフォレンジック調査が有効な手段です。
フォレンジック調査とは?
フォレンジックとは「鑑識」という意味を持つ言葉で、法的な証拠の収集・分析をする調査のこと。必要な証拠を集め、適切に解析することで訴訟への準備が万全となります。メールなどのデジタルデータを対象とした、デジタルフォレンジックの需要が高まっています。
フォレンジック調査は実績豊富な調査会社に依頼する
企業の民事訴訟では、従業員だけで調査をするのは困難。社内に調査の知識や技術のノウハウがないまま進めても適切に調査できず、データの扱いにミスがあると二次被害を招くリスクもあります。自社単独の調査には限界があるため、実績と技術力のある調査会社に依頼するのが賢明です。
高精度かつ迅速な調査が可能なAI活用の調査会社がおすすめ
フォレンジックの手法で行われる調査の多くがデジタルフォレンジックとなっています。デジタルフォレンジックの分野で欠かせないのはAI(人工知能)の活用。膨大なデジタルデータを参照して分析するため、人力だけでは調査に時間がかかりすぎます。迅速かつ正確な調査を行うために、調査会社にはAIの効果的な活用が求められているのです。
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民事訴訟(民事裁判)に必要な調査は、フォレンジック調査のリーディングカンパニー「FRONTEO」へ
「FRONTEO」は、2000件以上のフォレンジック実績を持ち、AIテクノロジー活用の高い技術力を持ちます。自社開発のAIエンジンをはじめ最新技術を駆使して、データの特定、保全・処理・レビュー・提出データ作成にいたるまでワンストップでアプローチし、民事訴訟を迅速な解決に導きます。
日本におけるデジタルフォレンジック黎明期よりフォレンジック調査を行ってきた「FRONTEO」は、2003年の創業以来、日本における不正調査のパイオニアとして、さまざまな課題と向き合ってきました。データ改ざん、社内不正調査、労務問題、ハラスメント問題、セキュリティ事案など、さまざまな案件をフォレンジック調査によって解決に導いてきた圧倒的な実績があり、多様なパターンに精通した確かなノウハウが、幅広い企業の民事訴訟への対応力となっています。