Wipe

単語の意味としては拭く、ぬぐい落とす、消し去る、消すなどの意味を持っている。デジタル・フォレンジックにおいてWipeはWipe-out(データの消去)を意味し、データ消去方法には以下の3点が挙げられる。

  • ソフトウェア方式~記録媒体に特定の数字や文字等を書き込む

    • メリット:

      HDDの再利用が可能

    • デメリット:

      ゼロ、乱数、NSA(米国国家安全保障局)、NATO(北大西洋条約機構)、Gutmann(グートマン)等方式が多数ある

      データ復元の可能性を考慮すると複数回の書き込み(上書き)が推奨されるが、処理時間を必要とする

  • 磁気破壊方式~記録媒体に強力な磁気を照射し、機器自体を電磁的に破壊する

    • メリット:

      記録媒体の容量、インタフェース、OSに依存しない

    • デメリット:

      HDDの再利用及び目視確認が不可

  • 物理破壊方式~記録媒体に穴等をあけ物理的に破壊する

    • メリット:

      記録媒体の容量、インタフェース、OSに依存しない

    • デメリット:

      HDDの再利用は不可、破損していない箇所にデータが残る

Wipeの実施例としては、証拠保全の準備段階におけるデータコピー先HDDの事前のWipeが挙げられる。この作業はサニタイズと呼ばれ、コピー先HDDの微細なデータを残留させず、証拠保全データとの一切の混在を避ける目的で実施する。

また、HDDの残留データを原因とする情報流出を防ぐことが目的の場合、Wipeを適切に行えたかの確認は必須といえる。