AIを活用し、品質を犠牲にすることなくレビュースピードの向上を実現

米国の民事訴訟においては、審理の前に被告と原告がお互いに証拠を開示して争点の整理を行うため、証拠となりうる電子データや書類を、適切な手続きに則って期日までに提出しなければなりません。とりわけ電子データを取り扱う作業はeディスカバリと呼ばれ、日本の企業であっても米国でビジネスを展開していれば、日本の本社やデータセンターなどにある電子データすべてが証拠として開示対象になることがあります。ひとたび訴訟に巻き込まれた際、訴訟上不利な状況を生み出さないためにも、膨大なデータの中から早急かつ適切に、必要な情報を仕分けなければなりません。

こうした状況を鑑み、さまざまな捜査機関からの意見・要望と、FRONTEOの豊富なフォレンジック調査経験のなかで蓄積してきた知見、ノウハウをベースに独自に開発したAI搭載のツールが「KIBIT Automator」です。AIエンジン「KIBIT(キビット)」を中心に、独自開発の機能が効率的で網羅的な証拠探索を可能にします。このeディスカバリと呼ばれる作業の中で、もっとも多くの費用が発生するのが文書レビューの工程で、ディスカバリ費用全体の約70%を占めるとされています。このレビュー工程をいかに効率化し、費用を圧縮するかがディスカバリにおける企業の課題となります。

従来、お客様や弁護士事務所からは文書レビューに対し、費用や期間、ボリューム、レビュアーのレビュースピードやスキルといった懸念事項が課題としてあげられていました。また、これまでは人月ベースの料金モデルであったため、お客様によっては、費用を抑えるために難易度の高いレビューについては品質を譲歩せざるを得ないこともありました。「KIBIT Automator」は、以下に紹介する機能を実装することで、レビューにかかる時間を短縮し、レビュアーのスキルや、長時間作業による疲労に左右されないクオリティでの文書レビューを実現し、品質を犠牲にすることなくレビュー業務の効率向上が可能となります。

製 品 特 徴

1時間あたりに確認できる文書数を平均的に40件から100件に

通常、文書レビューは弁護士や、弁護士の指示のもと作業を行う人たちが担当し、文書を一件一件確認しては「関連あり(relevant)」「関連なし(not relevant)」に分けていくため、時間とコストがかかります。「KIBIT Automator」は、AIに「関連性のある文書」と「関連性のない文書」のコントラストを学習させ、人間よりも速く、安定した品質で「関連性あり/なし」を判断し、文書レビューにかかる時間・コストの削減を実現します。

文書レビューにKIBIT Automatorを活用することで、
人間の目でレビューすべき文書を約40%にカット

レビュー対象の電子データをキーワード検索で1%~5%にまで減らし、KIBIT Automatorで「人間の目でレビューすべき文書」(約40%)と「人間の目でレビューしなくてよい(AIだけでレビューする)文書」(約60%)に分類。レビューにかかる費用、時間の大幅な削減を実現します。(当社実績平均)

主 な 機 能

Assisted Learning:「読まなくてよい文書」を判断するためのカットオフ支援機能を利用し、
人間が読まなければならない文書を大幅に削減

通常、文書レビューは弁護士や、弁護士の指示のもと作業を行う人たちが担当し、文書を一件一件確認しては「関連あり(relevant)」Assisted Learning機能により、調査対象として収集した文書のうち何割までレビューすれば一定の割合の「関連性あり」文書が見つけられるのか、シミュレーションすることができます。その結果、案件の担当弁護士や企業の担当者が、調査対象として収集した文書のうち「読まなくてよい文書」として対象から外したり、読むべき文書を優先して調査したりすることが可能となり、調査期間の短縮を図ることができます。

Highlight Sentence:確認が必要な箇所をハイライト表示

レビュアーにタスクが回される時点で、特に確認が必要とAIが判断した箇所がハイライト表示された状態で渡されるため、レビュアーが実際に読まなければならない文章量を減らすことが可能です。